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お世話になっている会計事務所から毎月送ってくださる「経営情報106」から、了解を得ての転載です。我が街「まつやま」を、一歩引いて眺めるとどう映っているかの一例です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 松山市を訪れると、まちを覆う俳句熱に驚かされる。 市内四十九カ所ほか市電に設置される「観光俳句ポスト」への投句が年間約一万句。歴史的案内柱や記念碑に俳句があふれ、俳句甲子園などもある。王国といわれるゆえんであろう。 文豪・漱石の誕生に大きくかかわった近代俳句の父・子規の詩心が脈々と息づく。 「わしもちいと俳句やるんよ」と松山人が言ったら大変なものと思うべし。愛好家は全国で一干万人ともいわれる。定年後の趣味として吟行やら句会が新たな人の輪を生み、高齢化社会の一つの文化的インフラとなっている。 一茶は日本最古の温泉といわれる道後を訪れ、「寝ころんで蝶泊らせる外湯哉」と詠んだ。春風胎蕩、温暖な気候風土に魅入られ、翌年も再訪した。「わしは今まで日本中を歩いたが、伊予の国が一番よかった。風土も美しく人情もよかった。特に松山あたりは風土そのものが俳句だよ」と言ったのは山頭火。 平然と変わらぬ気風を保ちながら、毎朝温泉につかって、瀬戸内海の美味しい地魚を食べ、俳句をつくって日を送る。仕事をするのは当然だからおくびにも出さない。地元の友入の松山人評である。どこかのどかで平和な暮らしぶり。日本人の生活の豊かさを感じさせる。どれ、きょうは一つ俳句でもつくろう。 日本経済新聞4/20『春秋』より
by yaogenki
| 2006-05-09 23:52
| 言葉・人・本
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