今月も「紅白」7月号からの転載です。
いつもの五句の他に同誌の「私の俳句散歩」のコ-ナ-に掲載されていた一句も併せて紹介させていただきました。
・走り梅雨子規堂に我一人のみ
・子規堂の床に享保雛飾る
・灯台の灯が渦潮を照らし出す
・満水のダム湖を巡り花を見る
・四温晴リフトの我に風優し
--- 私の俳句散歩より ---
・凧合戦負凧川を流れゆく
川を挟んでの合戦であり、糸を切られた敗残の凧の中には、川中に落ちてしまうものもおおくある。川を流れてゆく凧は、おそらく面を伏せて流れているのであろう。なんだか、負けることの深い哀れが切々と伝わる句だ。